みなさん大学(院)の研究室生活を楽しんでいますか。
筆者も理系の大学院まで研究室生活を楽しんで、無事卒業していきました(皮肉)。
M1の冬あたりから実は鬱病になっていました。(複数サイトのネットの診断では重度の鬱病と診断されていました)
体も重く、気力も笑顔も消えた生活を送っていました。
その時に私自身、研究室で鬱になりかけている他の人のブログを読んで、不安を解消していました。
なので、研究室生活で苦しむ誰かの助けになれたら嬉しいなと思い、鬱病となっていた研究室生活を振り返ります。
卒業できるか不安、教授が怖くてゼミの資料が作れないって方がいたら、「何とかなる」ってことを伝えられたら幸いです。
研究室生活時代の環境
研究室在籍期間:B4~M2
専攻:情報工学(IT系)
文理:理系
大学種別:国公立
教授:論理的で地頭が良い、研究は批判によって発展するという考え、予算獲得規模も大きい
ゼミ頻度:不定期(教授の忙しさと相談のため、週一でない時もあった)
鬱病になるまで
研究室生活を始めた当初は、鬱病ではありませんでした。
徐々に鬱病になっていきました。
ゼミで詰められることが多くなった、M1の頃からだんだんと鬱病に向かっていきました。
なぜ詰められることが多くなったかというと、B4(学部)と、M1、M2(修士)の指導方針の違いにあります。
B4では以下の方針を教授は実施していました。「研究者としての活動が初めてなので、アイデアも研究内容もほぼ与えて研究を行っていく。そうして、研究がどんなものかを体験して、学んでもらう」というものです。
M1、M2では以下の方針となりました。「研究を行うにあたり背景から研究目的、新規性に至るまで全部自分で考える。相談は可能だが、基本的にはテーマは与えない。」というものになりました。
そのため、「教授から与えられたテーマで研究するB4時代」から「自分で論理的に考えたテーマで研究するM1、M2時代」へと変化していきました。つまり、自分で考えるようになったので、教授から見て意味不明(論理的でない)部分があると突っ込まれるようになりました。
突っ込まれるのは良いのですが、問題点は教授の研究の発展についての考え方です。
その考えは「批判をすることで研究がもっと発展する」というものです。
この考えはある意味で正解だと思います。批判がない場合、自分の想像の中の成果しか出せないので。自分の考えになかった批判側の意見を研究に取り込む事で、良い研究にシフトできそうです。
(それに、批判の悔しさをバネにして、相手を見返したいという原動力になる可能性もある)
ただ、私は批判されると、辛いとしか感じないタイプの人間でした。
そのため、この研究室の風土とはあっていませんでした。
ゆえに、ゼミで容赦なく指摘してくる教授に対して、苦手意識が芽生えていきました。(あくまでも教授は研究をよくしようとしてくれています)
苦手意識が芽生えてからは、どんどん悪循環に陥ります。
研究の相談の機会が減っていきます。すると、以下のような流れになります。
① 研究自体の完成度が低く、ゼミで沢山指摘される
②→ 相談しても、ゼミと同じように批判されそうと想像
③→ 相談しなくなる
①~③の繰り返しになります。
また、苦手意識があるせいか、教授からの質問時に頭が真っ白になってしまうようになりました。
すると、教授は段々とイライラします。なので、何か喋らなくてはいけないと思い、見当外れの返答をするようになりました。そうなると、更にイライラが加速するという悪循環。
次第にゼミが嫌いになっていきました。
毎週発表する度に、批判されるだけで、褒められる事はなかったので。
そうして、無事自信をなくすことに成功しました。
そうなると、「ゼミに出たくない」、「このプレゼン資料で批判されないだろうか」というネガティブな思考が増えていき、普段の生活が楽しくなくなりました。寝つきも悪くなっていきました。
また、自信をなくしたことで、就活にも影響が出ました。
「何をやってもダメな気がして、自分がやりたい事が思いつかなくなる」や「ゼミと同じように、面接で批判されないか不安になる(ゼミで自分の研究が批判されるので、自己PRも批判されるか怯える)」
そのため、自己PRが薄いものになり、貴社に入りたいというアピールができませんでした。
そのせいか、20社受けましたがほとんど一次面接で落ちました。
他の研究室同期は大手に内定を決めるので、就活が終わるまで常に焦っていました。
(同期はM1の11月くらいに就活を終えてましたが、私はM1の12月~M2の5月までかかって、長い間辛かったです)
就活でお祈りメールをもらう日々、ゼミで批判され続ける日々を送り、ついには鬱病になってしまいました。
症状としては、ゼミや面接の時間が近づくと(1時間前くらい)、開始5分前までは、ベッドで横になるものでした。(腕が重く、座るのも辛く感じていたので、ベッドで基本的に過ごしていました)
鬱病になった要因
- 卒業できるか不安
- ゼミでの研究の批判が、自分自身を否定されている気持ちになる
- 失敗続きによる自信喪失(ゼミ発表、就活)
これらの要因は、研究室にいる方なら一度は感じた事があると思います。
卒業した今だから言えますが、これらの不安は杞憂に終わります。また、気分が落ち込む必要もないです。
研究室にいると不安や気分が落ち込みやすいですが、きっと大丈夫なので安心して過ごしてください。
卒業できるか不安:
卒業証書をもらうまで、常に頭の片隅にあります。
ですが、学部、修士どちらもきっと卒業できるので、安心してください。
修士の卒業要件は大学によりますが。「新規性、有用性、確実性」のどれかがあれば卒業できます。
有用性というのは主観的なので、新規性を売りにした論文を書く方がほとんどではないでしょうか。
この新規性は、「性能を2倍にする技術を開発した」とか凄いものである必要はないです。
教授が判を押してくれる、かつ、修論発表の主査・副査が卒業を認めてくれるレベルで良いです。
そのレベルがどれくらいか分からなくて不安になると思います。でも、新規性についてはどうか不安にならないでください。気楽に構えていて大丈夫です。教授もゼミで発表を見ており、指導をしてくれています。卒業要件を満たさない研究であれば、どこかで方向修正の指示がでます。
それに、教授自身が指導している手前、その指導の元行われた研究が没になる可能性は低いです。
また、指導したのに留年者を出したなんて、教授のプライドが許さないでしょうし。
ゼミでの研究の批判が、自分自身を否定されている気持ちになる:
ゼミでの指導について。研究を批判しているだけであって、自分自身を否定している訳ではないです。
研究を行っているのは自分なので、研究を否定されると自分が否定されたと錯覚します。
ですが、教授も人格は否定していないので、あまり重く受け止めない事が重要です。
捉え方を変えるのは難しいですが、研究が否定された時は、改善箇所が見つかったくらいに捉えられるようになると良いですね。
失敗続きによる自信喪失(ゼミ発表、就活):
ゼミ発表で批判されると落ち込みますよね。頑張って作った資料や研究の考えは否定されるので。
それが自信喪失に繋がっていきます。
ですが、どうか自信を喪失しないでください。
自分の研究はダメだって感じるかもしれませんが、冷静に見てみると周りの同期も批判されています。
また、批判しているのはあくまで教授だけなので、自信をなくさないでください。学会で発表して、複数の人に指摘されている訳ではないので。
教授の考え方に合わなかったくらいに捉えれて問題ないです。
なので、卒業のために教授が納得するような方向性に、研究を修正していけばOKです。
自信を喪失する必要は全くないく、「こんなに批判される自分なんて何もできない…」など、弱気にならなくて大丈夫です。
鬱病時に研究室生活をやり過ごした方法
私は以下の方法で、何とか研究生活をやり過ごしました。
- 同期に頼る
- お酒
- 好きなものを買う
- 何か音を聞いておく
同期に頼る:
発表資料の確認をお願いしたり、愚痴を聞いてもらっていました。
頼れる仲間がいてよかったです。
私の研究室は1人攻撃対象(熱い指導対象)を見つけると、他の人に対しての攻撃はない研究室でした。
(「君だけで1時間使った。」とか私だけ嫌み言われて、その後の同期の発表では、「まあ、良いんじゃない」と甘くなっていました。※修論執筆前は、私も同期も突っ込まれまくっていたので、同期の発表が特別良かった訳ではないです)
なので、持ちつ持たれつの関係だったので、相談しやすかったです。
私が教授の攻撃を一手に引き受け、その愚痴を同期に聞いてもらっていたので。
なので、鬱病になりそうって方は、周りの同期に頼ってみるのはオススメです。
お酒:
鬱病を悪化させる要因と言われるので、お酒はあまりオススメできません。
ただ、私はお酒で何とか保っていたので、紹介します。
ゼミ発表の前日になると寝れなくなりました。その時はお酒の力を借りて、何とか寝ていました。
また、研究する時間の終了の合図として使っていました。お酒を飲んだ後の作業はミスをしやすく非効率になります。なので、飲んだら研究しないという気持ちを芽生えさせるのに丁度良かったです。
適量を飲んで、一瞬だけでも研究生活から逃避するのに使うのはオススメです。
あくまでも、適量ですが、、、
ちなみに筆者が飲んでいたのは、「IPAビール」と「ウイスキー」です。
IPAビールの苦みが好きで、ご褒美として飲んでいました。普段は、ビールよりは安価なウイスキーを嗜んでいました。安価といっても、華やかな香りと度数が強く喉が焼ける感じが好きで、お気に入りでした。
※ウイスキーで喉が焼けていると感じるのは粘膜が傷ついているからです。慢性的に粘膜を傷つけると、食道がんになりやすくなるのでご注意を。
筆者がよく飲んでいた IPA ビール。IPAの中では値段が安い。なのに、苦みも飲みごたえも抜群なコスパの良い商品
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
好きなものを買う:
自分のテンションが少しでも上がるものを買いました。
鬱病になった時に買ったのは、「GUCCI のリング」です。
値は張りました。ただ、高価なリングを付けているという高揚感を得ることに成功しました。
そのおかげで、リングを付けている時だけは、少しだけ自信を持つことができました。)
ブランドを身に着けており成功者と同じだと錯覚できたため。)
何か音を聞いておく:
筆者は鬱病になった時、無音だと物事を悪く考えてしまいました。
なので、研究する際には作業用BGMをかけていました。また、寝る前には、walkman で音楽を鳴らしながら寝落ちしていました。
筆者が作業用BGMとして使っていたのでは、「prayer x (King Gnu)」と「ジャルジャルのコント」の動画です。
不安感を消すために、何か音を鳴らしておくのはオススメです。
まとめ
研究室生活では、沢山の不安があるかと思います。人それぞれですが、筆者は「卒業できるか不安」や「ゼミの批判で自分自身が否定された気になる」など辛かったです。
ですが、その辛さも一過性です。
卒業は十中八九できます。教授にもメンツがあり、留年者なんて出したくないはずなので。
なので、鬱病になりそうな方は、自分にあうストレス解消方法を見つけて、研究室生活をやり過ごしてもらえたらと思います。
就職後は、職場にもよりますが状況は良くなるかもしれないので。今は卒業して SIer の会社で働いていますが、鬱病も寛解して楽しく過ごしています。
(研究室は教授の一強体制です。一方、会社は三権分立に近いです。そのため、会社だとハラスメントをすると問題になるので、わきまえている人が多い印象です。教授はハラスメントに近くても、卒業の判を押してもらうために、誰も何も言えない事が多い)